味園ビル

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味園ビル
味園ビル
情報
用途 店舗
旧用途 キャバレーなど
設計者 志井銀次郎(初代オーナー)
管理運営 株式会社ユニバース
構造形式 鉄骨構造[1]
階数 5階建,地下1階[1]
竣工 1955年[1]
所在地

542-0074
大阪府大阪市中央区千日前2丁目3番9号

地図
座標 北緯34度39分56.2秒 東経135度30分18.9秒 / 北緯34.665611度 東経135.505250度 / 34.665611; 135.505250 (味園ビル)座標: 北緯34度39分56.2秒 東経135度30分18.9秒 / 北緯34.665611度 東経135.505250度 / 34.665611; 135.505250 (味園ビル)
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味園ビル(みそのビル)は、大阪府大阪市中央区千日前にある複合商業ビルである。別名:味園ユニバースビル[1]

概要[編集]

1955年に建設された。ビル内にキャバレースナックダンスホール宴会場、サウナなどが入居した。たび重なる改築と業態のマイナーチェンジを経ている。

当時としては派手なネオンサインとモダンで高級感のある外観が評判を呼び、高度経済成長期の好景気も手伝って連日の大繁盛をおさめた。1970年代より、インパクトの強いテレビCMを放映した結果、関西圏で知名度を高めた(後述)。

1980年代バブル経済期まではミナミの歓楽街を代表する存在だったが、1990年代半ば以降は2階テナントフロアの大半が空き物件という状況になるなど、一時低迷した。そこで2004年に運営会社の方針でテナント料を大幅に下げ、若いオーナーが中心のバーや飲食店を誘致したことにより、東京の新宿ゴールデン街と並んで日本のサブカルチャー、アンダーグラウンド文化の発信地としても注目されるようになった。

フロア構成[編集]

  • 5階:宴会場。2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行に伴い臨時休業となり、2023年現在も休業が続いている。
  • 4階:ホテル。2019年9月30日で閉店した[2]。かつてはサウナも併設されていた。
  • 3階:マッサージルーム・レンタルルームなど。なおマッサージ店は2019年12月末で閉店した。
  • 2階:テナントフロア。前述の通りスナック等の飲食店が多数入居している。
  • 1階:駐車場。
  • 地下1階:貸しホール。かつてはキャバレー「ユニバース」が存在したが、2011年3月15日に営業を終了している。

CM[編集]

味園[編集]

味園のCMは1970年代から1990年代にかけて放送された。キャッチフレーズは「食事のデパート」。原価奉仕・部屋代無料を謳い、安価な飲食メニュー[注釈 1]や多数の個室、500名収容の宴会場に併設の浴場やスナック店舗などを紹介している。エコーを活用したジングル(味園の店名連呼)が特徴的であり、また一部映像は初期のものを後期まで再活用していた。

店名表示として下記「ユニバース」と同一のカット(ビル外観の「味園」と「ユニバース」の看板が並んで写ったもの)を用いた。

ユニバース[編集]

ユニバースのCMは1970年代から2000年代にかけて主にサンテレビ(の深夜時間帯で主に)放送された。店内アトラクションの紹介としてヌードダンサーが登場するカットが含まれていた[3]

エピソード[編集]

  • ダンスホールの専属歌手にデビュー前の和田アキ子がいた。
  • ピンク・レディーは売れる前に味園ビルのダンスホールと安く契約していたが、公演直前に大ブレークして長蛇の列ができた。
  • サブカルチャー好きの若者やインターネット上からは「大阪ミナミの魔窟」「ミナミの魔窟」という代名詞で語られることがある[4]
  • 保山宗明玉(元モダンチョキチョキズ)、松前公高赤犬の各メンバー、中将タカノリ山田ジャック野溝さやかロマンポルシェなど関西を中心としたのサブカル人士が、店舗経営したり足繁く通ったりすることでも知られる。
  • 当ビルのユニバースを舞台とした映画『味園ユニバース』(山下敦弘監督)が製作され、2015年に公開された[5]
  • 味園クイズ研究会、味園落語研究会、味園アナログゲーム同好会など、このビルを結成の地をする社会人文化系サークルが多くある。

アクセス[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 食べ放題など。2015年現在はセットメニューと単品商品や飲み放題を中心としたドリンクメニューとなっており、食べ放題は実施していない。値段は撮影時期の価格に合わされ、適時修正されている。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 味園ユニバースビル大阪市, 2023年11月14日閲覧
  2. ^ 【閉店】ホテル味園 - 開店閉店.com
  3. ^ 内田雅明、辻中達也、林尚司「大阪CMの面白さを雑談すると。」『広告批評』第111号、マドラ出版、1988年11月、30-43頁。 
  4. ^ ZERO Magazine DIGIKAL WE DIGIKAL「DUBBY-BON」インタビュー 2011年8月11日
  5. ^ 渋谷すばる(関ジャニ∞)初の単独映画主演、撮影に向け髪も「バッサリ」”. billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2014年6月5日). 2014年6月6日閲覧。

参考文献[編集]

  • 朝日新聞 ますます勝手に関西遺産(2011年11月10日発行)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]