日本プロ野球は戦後一時期まで打数のみが規定条件でしたが、好打者が過度の四球により規定に
到達できないという事態を回避するため、1957年シーズン前にアメリカメジャーリーグで打席数を
採用することが決定され、日本プロ野球もそれに倣い、1959年以降は野球規則10・23により
"チーム試合数に3.1をかけた値を到達すべき規定打席"としています。
ではなぜ「3.1」という数字になったのかという理由ですが、メジャーリーグでの'いきさつ'を
さぐって見ると、理由が見えてきます。
1944年まで、首位打者の条件は"100ゲーム試合出場"でした。当時は試合に1ゲームに出場する
選手数が現在より少なかったので、これでよかったようです。
しかしそのうち、メジャーでもプラトーン・システム(相手投手によって先発打者を買える)や
代打の多用が普及するようになって、これでは不合理だという声が上がりました。
そこで1945年からは"チーム試合数に2.6をかけた値を到達すべき規定打席"と規則を変えました。
(打数ではないことに注意してください)。
この2.6という数字の根拠は
--- 首位打者になるならとりあえず400打席ぐらいは必要だろう、でシーズン
--- 試合数は(当時は)154試合、だから 154×2.6=400.4で計算が合う。
というものでした。
しかし1954年に殿堂入りした大打者;テッドウイリアムスが.345という最多打率をマークしながら
四球が136もあったおかげで(打数は386)、それより低い打率.341の別選手に首位打者を奪われると
いう事態が起きました。
これを改善すべく1957年にルール改正が行われましたが、当時首位打者を狙えるようなバッター
がシーズンに平均いくつぐらい四球をもらっているか調査したところ、だいたい一試合0.5個ぐらい
という調査結果が出たため、それなら、既定の2.6+0.5=3.1 にしよう、ということになったのが
顛末のようです。